「ご、ごめん。無理に言わなくていいからね」


ずっと黙っている私に藍那は慌てて謝った。

「……私、必ず話すから、もう少し待ってほしい」


藍那には必ず言う。


だって、藍那は他の人とは違う、私にとって友達だから。


だけど、もう少しだけでいいから、言う覚悟をもつ時間を私にちょうだい?

「うん。わかった」


藍那は優しく笑ってくれた。


ありがとう、藍那。


「じゃあ、教室に戻ろっか」


それから、次こそは本当に教室に戻った。