「藍那って思ったよりよく話すね」
ふと思ったことを、口にした。
「あ、ごめん」
謝ってほしくて言ったわけじゃないのに……
藍那は、悲しい顔をして俯いた。
「ううん。藍那といると楽しいよ」
そう言っても、悲しい顔をした。
「私ね……」
「どうしたの?」
藍那は私になにかを伝えようとしてくれてる。
「私昔から、よく話す子だったの。でもそのせいで周りからウザがられてた」
そのあとに藍那は「気をつけてたんだけどね」と悲しく笑って言った。
「そっか。ごめんね」
「ううん。いいの」
「でも私、藍那のことウザいとか思ったりしないよ」
「ほんと?」
私の言葉に、藍那は不安そうに聞き返した。
「ほんとだよ。藍那は藍那でしょ? それに今、藍那と友達になれてよかったって少しは思ってるから」
今度こそ、私は自分の本当の気持ちが言えた。