こうやって、私の“友達”ができたのは、松井くんのおかげかな。


助けようと思ったのは、松井くんに相談した時のことを思い出したからなんだよ。


松井くん、ありがとう。


「友達とか言ってるけど私まだ名前知らないんだけど」


そういうと、「ああ! ほんとだ」とほわわ~んと笑みを浮かべる彼女。


「私は、与沢藍那(ヨザワ アイナ)。よかったらなんだけど、藍那って呼んでほしい」

「わかった。藍那ね」


藍那……。


可愛らしい名前だなあ。


「そうだ! 下の名前はなんて言うの?」

「琴」

「もしよかったらなんだけど……」


「琴でいいよ」

なんとなく、藍那の言いたいことはわかった。


“下の名前で呼びたいっ!”って言うと思うから。

「な、なんでわかったの!?」

……ほらね。


「そんな顔してたから」


そう答えると、藍那は

「もうっ! それってどんな顔なの!?」

とグイグイ聞いてくる。