こんな人、初めてだった。

こんなふうに言ってくれる人が。


私は、いつの間にか目に涙が溜まっていた。

でも、大きく息を吸って、流れ落ちようとする涙を止めた。


そして私は、前へ進んでみようとまた後ろを振り返った。


そして、口を開いて彼女に言った。


「助けたのは、友達……だからだよ」


「え……。………なんて?」

これって、もう一度言わなきゃいけないの?


「聞いてなかったならいい」

「え? え。今友達って言ったよね!?」


「聞こえてるじゃん……」


私ってほんとは素直じゃない。

少し、口が緩んだ時


「ああ!! 笑ってる」

「違うから」