「あ……のさ、松井くん。」

「ん?」

下を向いて、作業していた松井くんが顔を上げた。


「相談なんだけど、いいかな?」


「俺でよければ」

そう言って、聞こうとしてくれる松井くん。



「もし、昔がきっかけで友達が作れなかったとしたら、ずっと1人でいるのかな」

私はもう慣れてるけど、これから先もずっと1人ってことなのかな。



「……ううん。1人なんかじゃないよ。もし1人だったとしても、いつだって誰かが支えてくれてるんだよ」


でも私……

「ほんとに1人だったら?」


「それは、その人自身が前に進もうとしないだけ」


「………」

私は、松井くんの言葉になにも言い返せなかった。