「三浦さん、三浦さん」

“こっちこっち”と手招きする松井くん。

気になって、顔を近づけてみた。


すると、松井くんも顔を近づけてきて、内緒話をする体制になった。


なにを言われるのかと、少し期待してた私の耳元で


「なにもないよ?」

その時気づいた。


これは……騙された!


パッ!と松井くんから離れると、もう遅かった。


「クク……ッ」

「なに笑って……!」


「三浦さんの目見えない」


えっ。

いきなり?


でも、

「松井くんも見えないよ」


「ちょっと前髪あげてみて」


なんか私の言葉スルーされた?

「やです」

って、なに私も応えてるの!


「えー、三浦さんって意外とケチ?」

「なっ…! そういう松井くんだって……」


そこまで言って私は言うのを止めた。