【完】幸せをくれたあなたに。





「なんかね、もう私たちと一緒にいたくないんだって……」


涙目になって言う麻紀。


だけど、俺は信じれなかった。


琴が……?


本当に琴がそんなこと言ったのか……?


琴を見るけど、合いそうにない目。


「本当……なのか?」


麻紀の声は聞こえていたはず。

なのに、なんで否定しないんだよ……。


「どういう…ことだよ、それ」


俺がいない間に、なにがあったんだよ……。



その日から、琴と話すことはなかった。

気づいたら、俺は琴を目で追うようになっていた。


そしてまた、必ず合わない目。


そんなことばかりが続いて、学年が1つ上がった。


相変わらず、俺と麻紀はずっといる。

けど、琴はそこにはいなくて……。