【完】幸せをくれたあなたに。





次の日、廊下で麻紀とすれ違った。


通りすぎる瞬間、私の耳元で

『全部バラしてやる』


そう言った。



私は足を止めて、麻紀に向かって言った。



「私と藍那はもう、友だちじゃないから」


藍那まで巻き込みたくない。


麻紀は、怒りに満ち溢れた顔で


「痛い目に遭わせてあげる」

そう言って、去っていく麻紀。



だけど、麻紀の言ったことは本当に起きてしまった。




またあんなことになるなんて……。








「ねえ、聞いた? 三浦さんのこと……」


「聞いた聞いた。病気だってー……。可哀想」

「なんか、同情しちゃうね……」



すぐに広まった私の事。


全員に言ったんだ……。



ああああああ………。

あの日のことが、フラッシュバックする。


通る度に、聞こえる同情の言葉。