「別に話してないんだから、それで満足でしょ?」
「それじゃだめなんだよ!! なんで……っなんでアンタなのよ……っ!!」
突然、麻紀は泣いた。
「なんでっ……私がどんなけ頑張っても、近くにいても……ゆっきーは私を見てくれないの」
どういうこと……?
「雪くんは、麻紀のこと好きだと思うよ」
「なにそれ……マジでムカつく。お前なんてっ……消えろ!! アンタなんていなければ、ゆっきーは私を見てくれた! なのにいつになってもゆっきーはアンタのことばかり……」
……そんなはず、ないよ。
「ほんとにないから」
それだけ伝えて、私は急いでその場を逃げた。
麻紀には、そんな想いがあったんだ……。
麻紀をあんなふうにさせたのは、私だったね……。
ごめんね。麻紀……。

