雪くんが学校に来るようになった時、私と麻紀が話していないことに不思議に思っていた。


でも、雪くんはあえて、私に話しかけなかった。


それはきっと、いつもと様子が違うことに気づいていたからだと思う。



だけど、麻紀が雪くんに近づき、私にもわざと聞こえるくらいの声で


「なんかね、もう私たちと一緒にいたくないんだって……」


ショックを受けているかのような声を出して、目線は私を悪魔の笑みで、私を見る。



それでも私は決して2人を見なかった。



「本当……なのか?」


雪くんは、驚いた表情で私に問いかけた。

それすらも、聞こえていないフリ。


雪くんのことが好きだった私。

でも、感情がなくなってしまった私には、もうどうでもよかった。


そのまま、私たちはこんな感じで話すこともなくなり、3年に上がった。


クラスは、私は2組で、麻紀と雪くんは3組だった。


私だけが運よく離れたクラス。


前とは違い、誰とも関わらなかった私は2人の存在も薄々消えていった……。