「今年の夏、がんばるから」

「......うん、がんばろうね。
応援してる」


私からボールを受けとって、トスを上げてノックを打って。それを繰り返しているにっしーの横顔をこっそり見つめる。


三年生にとっては最後の大会。
私たち二年生にとっては、二度目の夏までもう一ヶ月もない。


私は、にっしーの気持ちに応えることはできない。
マネージャーとして、友達として、応援することしかできない。


複雑で、バラバラで、みんな片思いで。
永遠に届くことなんてない一方通行のこの思いも。

グラウンドにいるときだけは、ひとつ。


グラウンドに立つにっしーや小野くん、ミッチーや他のみんなを応援したいという気持ちは、きっと。

私だって、さほちゃんだって、同じだから......。