もしかしたら、莉王は、いろいろ考えて、眠れなかったのかもしれないな、と思った。

 莉王には関係のないことなのに、ちょっと悪いことしたかな、と思う。

 だが、莉王と結婚して、幸せになる卯崎の姿はどうしても見たくなかった。

 真人は手を繋いだまま眠っている莉王を見下ろし、

「どうすっかな、これ……。

 背負って、トイレに行くか?」
と小さな声で呟いた。