「そんなことでいじけるわけねえだろ。

 プロになれなかった時点で、もう終わってるんだよ」

「プロ?
 そんな話題が出るほど、強かったっけ?」

「王様は無慈悲すぎます~っ」
と真人はクッションにすがって泣き始める。

 い、いやいや、すまん、と思った。

 でも、頼むから、もうこのまま寝てくれ、と思う。

 既にこの酔っぱらいを帰すことは諦めていた。

「莉王……」
 クッションに顔をうずめたまま真人は言う。

「俺たち親友だよな」

「そこまでじゃないよ」

「王様ーっ」
と叫んで、真人は起き上がる。

 笑ってしまった。