「あらー、莉王ちゃん、お帰り」
夜道を急ぎ、帰っていると、アパート近くの商店街のおばさんがいつものように挨拶してくれた。
「ただいま帰りました。
暑いですね」
と笑顔で言うと、
「ほんとにねえ」
と愛想良く返してくれる。
生前とまったく変わらないな、と思いながら、そこを通り過ぎた。
もう遅い時間なのだが、おばさんは既に閉まった店の前を笑顔で掃いている。
それにしても、訳のわからない一日だった。
お腹が空いていたので、アパートに着いてすぐ、冷蔵庫を開けた。
ビール片手に、炒め物を作る。
ご飯、おむすびにしようかな、めんどくさいな、と思いながら、おかずが少ないので、結局、おむすびにした。
炒め物は残り物の野菜を少しずつ入れたので、いろんな色が混ざって、見た目は鮮やかだ。
フライパンに野菜炒めのタレが残ったまま、二、三枚の肉を焼いて、簡単な晩ご飯にする。



