王様とうさぎさん

「忍さんのお店にでも行ったらどうかしら、このあと」

 そういえば、人の店で、やんやと騒いでいる。

 す、すみません、と美奈と周りの客に頭を下げ、すとんと腰を下ろした。

 ようやく座ったせいか、允がほっとした顔をする。

 だが、莉王は今度は声を抑えて言った。

「出ましょう。
 今すぐ。

 その忍さんって人の店でも何処でもいいから、決着つけましょうよ」

 莉王は今度は伝票を掴んで、立ち上がり、宣言する。

「それから、此処は私が払いますからっ」

「いや——」
と言う允を置いて、レジに向かった。

 美奈が既に待っていて、

「いやー、面白いもの見ちゃった」
と言いながら、レジを打つ。

「すみません。
 お騒がせして」

「いいのよ。
 みんな面白がって見てたから」

 い、いや、それもどうですか、と思っていると、

「でもさ、私、もしかして、これって、見合いを断るためのデートかなって思ってたんだけど」
と言い出す。

「……さっきから私、そうわめいてませんでしたっけ?」

 そう言ったのだが、美奈は、いやいや、と笑う。