王様とうさぎさん

「じゃあ〜、結婚すればいいじゃないですかっ」

「厭だ」

 何故だっ!?

「会いたくない」

 駄々っ子かっ。

 早くこの図体のでかい問題物件を片付けてしまおうと、つい、こっちが本気になってしまう。

「何か昔、その花さんに、顔向けできないことでもしたとか?」

「そうじゃない。
 もともとそんなに接点もない。

 ただ、また会うのが厭なんだ」

「なんでですかっ」

 幻滅したくないから、と允は言った。

 允は親に叱られている子どものように、こちらには視線を向けず、珈琲だけを見つめている。

「幻滅するかどうか、会ってみなけりゃわからないでしょうっ。

 前よりもっと素敵になってるかもしれないじゃないですかっ」

「実際なってますけどねー。

 この店にもたまに来られます」

 はは、と半笑いになりながら、美奈は言った。

 この嫁候補の女は、なにがしたいんだ、と思っているようだった。