王様とうさぎさん

「ところで、允さん、お見合いしないままでいいんですか?」

「したくないと言わなかったか?」

 やけに突き放したような口調で允は言う。

「すごい美人だったかもしれませんよ」

「顔にはあまり興味がない」

 おい。

 愛はないにしても、私がちょうどいいと選んでおきながら、その台詞はどうだ、と思った。

 もっと親しければ、はたいているところだ、と思ってしまい、ふと、允との距離を感じた。

 だが、まあ、当たり前か、とも思う。

 出会ったばかりの他人だもんな。

 そう思ったとき、中継が入った。

 いい加減、莉王も慣れてきていた。

 画面に現れたあの老人に、

「素敵なお店ですね」
と笑いかけると、自分のことのように嬉しそうにしていた。

 その様子を通りかかった美奈が見て微笑む。

 和やかな光景だ。

 だが、おや、と思った。