王様とうさぎさん

 


 次の店は高台にある、ログハウス風の気持ちのいい店だった。

 色鉛筆で書かれたメニューも可愛らしい。

 さっきのご老人のお孫さんも感じがよかった。

 窓際に腰掛けている愛らしい木の人形を眺めながら莉王は言う。

「付き合い始めって、こういう素敵なことのオンパレードですよね」

 珈琲を飲みながら、允がこちらを見る。

「一番いいと思うレストラン。
 一番いいと思うカフェ。

 素敵なデートスポット。

 使い果たしたとき、なんだかその恋もしょぼくなってしまうような」

「だったら、それはそれまでの関係なんだろう」
と允は言う。

 まあ、それはそうか。

 好きな相手となら、場所なんて何処だって。

 本堂のご本尊の前でだって、ときめくかもれしない。

 うーん。
 ちょっと厭なことを思い出しそうになったぞ、と思った。