王様とうさぎさん

 あのとき、潮は、

『卯崎さん、莉王をよろしくお願いしまーす」
と言ったあとで、いきなり笑い出した。

 なに? と訊いたら、

『いや、あんたがまた機嫌損ねちゃいけないから、言わないわ』
と言っていた。

 私が結婚したら、『うさぎの王様』になる、とあのとき、気づいたのだろう。

「こりゃいい」
「可愛いじゃないか」
と爺さんたちが笑い、

「莉王は最初から卯崎さんと結婚するようになってたのかもねえ」

と莉王の母が呟く。

「いや、待ってっ。
 うさぎの王様って、意味わかんないしっ」

「允を尻に敷いて君臨する王様ってことじゃない?

 ねえ、由莉子さん」
と言うと、由莉子は、

「まあ、カカア天下の方がうまく行くって言うしね」
と笑っていた。

 太郎が、
「それはうちのことか……」
と呟く。