王様とうさぎさん

 制服姿の少女。

 清香だ。

 ちゃっかり入ってんな〜。
 しかも、カメラ目線だし、と莉王は笑った。

「こんな顔だったよね……」

 もう忘れていたとでも言いたげに、忍が言う。

 モニターの清香の姿をそっと人差し指で撫でていた。

 その顔は忘れても、想い出は強く。

 忍さんは、本当に清香さんが好きだったんだろうな、と思い、なんだかこっちまで切なくなってきた。

「ん?」

 そのとき、気づいた。

 モニターが小さくてよくわからないが、允と自分との間にも誰か居るような。

 黒っぽい影のようなものが写っている。

 忍はそれを指差し、笑った。

「きっと、真人の怨霊だね」

「いや、あの。
 生きてますけど、真人」

「じゃ、生霊だよ。
 君が結婚することになって、ようやく好きだったと気づいたんだよ。

 マヌケだね」

 だからさ、大丈夫、と忍は電源を切りながら言う。