王様とうさぎさん

 忍は笑顔で、
「どうぞー」
と答える。

 本当に、この人、神経太いな〜。

 いや、やっぱり、いい出来だからのキスだったのか? 今の。

 そう思っている間も、忍は允と笑って話している。

「いやいや、允。
 やっぱり、お前はそういうの、似合うねえ」

 允はいつもとは違う、白い法衣に袈裟をかけていた。

「それにしても、怒濤の展開だよねー。

 正直言って、本当に此処まで話が進むとは思ってなかったよ」
と允の結婚の後押しをしてたんだが、足を引っ張ってたんだかわからない忍が言う。

「最初は、花さんと見合いしたくなくて、自分で相手を見つけようと思っただけだったんだよね。

 一体、いつから、莉王ちゃんを好きになったの?」

 そう問われ、允は最初は答えなかったが、やがて、たどたどしく答える。

 自分に説明したのと同じことを。

 だが、忍は、ははは、と笑って言った。

「訊いておいてなんだけどさ。

 やっぱり、それは違うと思うよ。

 きっとお前は、最初から、莉王ちゃんのことが好きだったんだよ。

 あの潮ちゃんって子も、そう言ってたよ」