木の下に清香が立っていた。

 こちらを睨む。

 傘を差しかけると、
「ちょうだい」
と言う。

「この子が濡れるから」

 清香は腕に赤子を抱いていた。

「はい……」
と傘を渡す。

 傘と赤ん坊を手に清香が歩いていく先は晴れて、綺麗な空が広がっていた。