王様とうさぎさん

 



 さて、帰るか。

 お茶を片付け始めた頃、誰かが部署の戸口に立った。

 それに気づいた潮がお盆を莉王のデスクに置いて言う。

「じゃあ、莉王、片付けといて」

「えっ?」

「あっ、莉王先輩、ありがとうございますー」

「ありがとうございますー」

 みんな潮が言うがままに、莉王の机の上に運んでいたコップを置いていく。

 こらこら、いじめか?

「ごゆっくりー」

 ぽん、と潮が肩を叩くと、みんな、それを真似て、

「ごゆっくりー」
と行ってしまう。

 おーい。

 仕方なく、ひとりでお盆を抱え、戸口に行った。

 そこに居た允が、

「莉王。
 そういえば、連絡先訊いてなかったな」
と言う。

 今、気づくな、今っ、と思いながら、無視して給湯室へと向かう。

 允は後ろをついて来た。