「お疲れさま」
忍が居間に戻ると、酔った太郎はもう寝てたらしく、居なくなっていた。
真人は布団をかけてもらい、その場で本格的に寝ている。
莉王がお疲れさまと言ってくれるが、なんとなく、申し訳なく、忍は彼女の前に両手をついて頭を下げた。
「申し訳ございませんでした」
「忍さん。
大丈夫ですよ。
忍さんのせいじゃないんですから」
「あらまあ、莉王ちゃん、優しいわねえ」
と言う由莉子の言葉には刺がある。
こちらの下心をも見透かしているかのように。
「すみません。
私が悪かったんです。
清香さんをなんとかしたくて、ちょっと感情移入し過ぎちゃって」
「あら、莉王ちゃん。
じゃあ、乗っ取られたんじゃなくて、忍ちゃんに同情しただけじゃないの?」
と由莉子が言い出す。
「え?」
「忍ちゃん、可哀想にって思ったんじゃない?」



