王様とうさぎさん

 允は腕を組んで考え込む。

「莉王に力がないなんて思ってない。
 身体を乗っ取られるのは行き過ぎだ、と言ってるんだ」

「行き過ぎって莉王ちゃんに言っても。
 自分でどうにか出来るものなの? それ。

 彼女は清香の話を僕に伝えてくれようとしてただけでしょ」

 目を閉じて聞いていた允は、
「もうひとつ、気になることがある」
と目を開けて言う。

「さっき、莉王にお前とキスしていたことを告げても、それほどの拒否反応がなかったことだ」

 それはね。
 前、一度僕がやっちゃったからだよ、と思ったが、さすがに、此処でそれを言うとどういう自体になるのかわかっていたので、忍は全力で誤摩化そうとした。