王様とうさぎさん

「お父さんはそうでもない?
 わかってたわよ、莉王ちゃん。

 おうち、お寺さんなのね。

 なにかいろいろ手慣れてるから」

 ……ははは、と莉王は苦笑いする。

「なんで允は言わなかったのかしら」

 知らないからですよ、と思ったが、由莉子のことだ。

 允が知らないこともわかっていただろう。

 いろいろわかっているのなら都合がいいと、ますます勝手に結婚話が進みそうで、允には黙っていたのだ。

 もしかして、もう、いろいろとバレていそうな……。

 だって、結婚話が進んでいるのに、自分の家が寺だと、夫になる人物に、それも僧侶である人物に告げていないなんて、どう考えてもおかしい。

 偽の花嫁だとバレているのでは?
と思ったが、由莉子は、なにも突っ込んでは来ずに立ち上がった。

「さあって、もう煮えたかな〜」
とまだ火にかけていた豆を見に台所に行ってしまう。

 一体、いつからバレでいたのか。

 恐るべし、お義母さん、と思った。