王様とうさぎさん

「あら」
と由莉子が横から覗く。

「そうそう。
 この写真も捨てがたいわね〜」

 今より少し若い允が、太郎たちと玄関に立っている写真と、允だけが大きく写っている写真だった。

 どちらも、法衣を着ている。

 特に、お経をあげているのを横から撮ってる方。

「めちゃくちゃ格好いいじゃないですかー」

 感心したように言うと、
「あらー、いつもはそんなに格好よくないかしら?」

 自分の子どもなのに、堂々と由莉子はそう訊いてきた。

「いや、格好いいですけどね。
 なんか、凄くいいです、これ」

「黒の衣を身にまとうと、誰でも精悍に見えるからね」

「そんなことないですよー。
 うちのお父さんなんて——」

 言ってる途中で気がついた。

 が、由莉子は笑っている。