王様とうさぎさん





「すみません。
 今日、なんか人数増えちゃって」

 今日は允が残業になりそうだと言うので、何処かで待っていようと思ったのだが、買い出しに出た由莉子が迎えに来てくれた。

 早めに帰宅できた莉王は、台所を手伝うことにした。

 いつも帰ったときには、食事ができていて、申し訳なく思っていたからだ。

「いいのよ。
 楽しみだわ。

 特に、真人くんがね」
と由莉子は、ぐつぐつとなにかいい匂いのするものを煮ながら、にやりと笑う。

 その横顔を見ながら、

 なるほど、舌なめずりしてそうだ。
 由莉子の前では、王子、真人もその辺の小僧だな、と思った。

「莉王ちゃん、それ、切っておいてねー」
と言いながら、由莉子は忙しげに立ち働いている。

 実に手際がいい。

 主婦ってすごいな、と思いながら、莉王は眺めていた。

「莉王ちゃんは料理とかよくするの?」
と改めて問われ、

「そうでもないです」
と苦笑いで返す。