王様とうさぎさん

「真人、今日、来てよね」
と服を引くと、真人が振り返る。

「允さんにはあまり、このことに関しては相談できないし。

 忍さんには——」
と言葉を止めると、

「やっぱりそうか」
と真人は言った。

「忍さん、清香さんにちょっかいかけてたよな。

 あんまり相手にされてなかった気がするけど」

 そ、そうなんだ……。

 子どもの勘は意外と正しいから、そうだったのかもしれないな、と思う。

「ともかく、来てね」
と言うと、真人は、

「俺は昔は、お前みたいなタイプは苦手だったんだがなあ」
と呟く。

「えっ、なにが?」

「お前みたいな、陽気でふわふわしたタイプは好みじゃなかったってことだよ」

「私も、真人みたいな体育会系はごめんだって、ずっと思ってたわ」

「それ、今もだろう」
と言われ、莉王は、はは、と笑って誤摩化した。