王様とうさぎさん

「ええっ!?
 本当ですかっ」

「道が混んでなくて、早く着きそうだったらだぞ」
と念を押されたが、嬉しかった。

「ありがとうございますっ」
と言うと、允は笑う。

 清香の霊と接触を持ったことで、自分が疲れたのだとわかったようだった。

 允が、
「少し空気を入れ替えよう」
と言う。

 はい、と答えながら思う。

 この人、見えてはいないけど、わかっているんだな、と。

 清香が連れてきた良くない空気がまだこの車内に残っていた。

 そういうものが蓄積すると、小さな事故を起こしてしまったりするかもしれない。

 森林からの涼やかな風が車内を一掃した。

 莉王は目を閉じる。

 心地の良い風は何故か、允を思わせる。

 だからかな、と思っていた。

 この人の側に行くと、なにやら救われそうな気がしたからかな。

 清香が、そう親しくもない允のところに相談に来た理由のひとつは——。