「霊が居る。
それだけを繰り返して、彼女は——
彼女が、どんどん良くない方向に精神を向けていることはわかっていたのに」
『助ケテ——』
そんな声がして、振り返る。
だが、清香の口許は動いていなかった。
彼女は素知らぬ顔で、外を見ている。
「こんなことを言ったら、お前は怒るかもしれないが、霊障相談の大半は気のせいだ」
「いや、そう思いますよ」
と言うと、允は意外そうな顔をする。
「霊が見えるからって、なんでもかんでも、霊障だと信じてるわけじゃないんです。
大半は気のせいです。
自分の今までの常識で説明できないことがあると、人はそれを霊現象だと思います」
でも、そうじゃないときもある、と莉王は言った。
「中には、本物の霊が関与してるものもあります。
でも、問題は、実際にそれが霊現象かどうかってことじゃなくて、本人の精神状態がどうかってことなんじゃないでしょうか。
霊が本物でも、霊だと思わず、カラッとしている人も居る。
霊が本物じゃなくても、そうだと信じて疑わず、鬱々と考え込む人も居る。
それはその人の心に、なんらかのやましさがあるかないかの違いだと思います」
それだけを繰り返して、彼女は——
彼女が、どんどん良くない方向に精神を向けていることはわかっていたのに」
『助ケテ——』
そんな声がして、振り返る。
だが、清香の口許は動いていなかった。
彼女は素知らぬ顔で、外を見ている。
「こんなことを言ったら、お前は怒るかもしれないが、霊障相談の大半は気のせいだ」
「いや、そう思いますよ」
と言うと、允は意外そうな顔をする。
「霊が見えるからって、なんでもかんでも、霊障だと信じてるわけじゃないんです。
大半は気のせいです。
自分の今までの常識で説明できないことがあると、人はそれを霊現象だと思います」
でも、そうじゃないときもある、と莉王は言った。
「中には、本物の霊が関与してるものもあります。
でも、問題は、実際にそれが霊現象かどうかってことじゃなくて、本人の精神状態がどうかってことなんじゃないでしょうか。
霊が本物でも、霊だと思わず、カラッとしている人も居る。
霊が本物じゃなくても、そうだと信じて疑わず、鬱々と考え込む人も居る。
それはその人の心に、なんらかのやましさがあるかないかの違いだと思います」



