王様とうさぎさん

 由莉子と居ると、なんだか楽だ。

 姑であって、姑でないからだろうか。

 もし、自分が本当に允が好きで、この家の嫁になるのだと気負っていたら、こんな風にうまくはいかなかったのだろうかな、と思う。

「でも、ほんと、莉王さん、もう起きて。

 美味しいご飯、食べる時間なくなるわよ」

「あっ、はいっ。
 すみませんっ。

 お手伝いしますっ」
と莉王は慌てて、布団を上げた。

 居並ぶご位牌にを手を合わせたとき、あの、雨の中の少女の姿が思い出された。

 でも、それ以上は何も見えてこない。

 此処へ寝るようになってから、時折、彼女の夢に見る。

 だけど、そこから先へ夢が進むことはないのだった。

 奥の襖が開いた。

 允が顔を出す。

「忍が来るそうだ」

「は?」