王様とうさぎさん




 しとしとと雨が降っている。

 木の下で、傘を差す少女。

 制服を着ている。

 その何かを悟ったような静かな横顔に、莉王は思わず見惚れる。

「莉王、莉王」

 うーん……。

 もう少し。

 肌触りの良いシーツを身体に巻きつけるように丸くなったが、

「莉王っ、起きろっ。
 此処は早く出ないと、遅れるんだぞっ」

 そんな允の声にはっとした。

 そうだっ。
 此処は山の中の允の実家。

 いつもより通勤時間がかかるんだった。

 早く布団を上げろと允に急かされながら、顔に手をやる。

「太っていっている気がします……」

 は? と暇なことを言う自分を允が振り向いた。