王様とうさぎさん

 


「莉王」

 給湯室に居ると、真人がやってきた。

「夕べはどうだった?」

 そう訊く彼に、
「昨日、来なかったじゃないの。

 もしかして、来るかなーと思って待ってたのに。

 おか……由莉子さんに、真人が来るようなこと言ってたんですけどね、て言ったら、楽しみに待ってたわよ」
と言うと、真人は青くなる。

「やだよ、俺。
 あの人の酒の相手するの」

 うわばみなんだから、と言い出す。

「普段はあんまり呑まないで、立ち働いてるけど、一体呑み出したら、底なしだよ。

 あの笑顔のまま、いつも最後まで俺が付き合わされるんだ。

 爺さんたち、次々倒れていくから。

 あの人と呑むと、一週間は使い物にならなくなるんだよ、俺」
と眉をひそめていた。

 ……うわばみなのか。

 蛇対蛙、と思ったのは、どうやら、間違いではなかったようだ。