王様とうさぎさん

「大丈夫ですよ。
 允さんも一緒に行きますから」

「ああ、允も此処に泊まったんだ?」

 車があるからわかるだろうに、そんなことを言う。

「そういえば、いつの間にか、允を名前で呼んでるね」

「此処で、卯崎さんって呼んだら、全員返事しちゃうじゃないですか。

 昨日、忍さんのことは最初から名前で呼んでるのにって言われました。

 忍さん、名字私に教えてないからじゃないですか」

 ねえ、と言うと、
「じゃ、名字教えてあげるから、今から呼ぶ?」
と言ってくる。

「もういいですよ~」
と言うと、忍は笑う。

「忍ちゃん」
と由莉子が笑顔で出てきて言った。

「うちの嫁にちょっかい出さないでね~。
 莉王ちゃんは、今からお仕事だから」

「いやだな、わかってますよ~」

「いろいろとバラすわよ、及川さんに」

「……わかってますよ~」

 忍がひきつるのを初めて見た。