王様とうさぎさん




「爆睡でした」

 必ず、なんらかの霊が出ると思ったのに、まるで、誰かが守ってくれてでもいたかのように、何も見なかった。

 あの制服の霊さえも。

 大変爽やかな朝だった、と莉王は思う。

「そりゃ、允のご先祖様が守ってくれたんじゃないの?」

 そう言ったのは忍だった。

「なんといっても、この家の嫁だからねえ」

 昨日は遠慮して来なかったようだが、いつも朝は寝ていると聞いていたのに、何故か早朝から卯崎家を訪ねてきて、縁側に座っていた。

「王様、今日、仕事行くの?」

 王様、仕事行くのって、なんか変な言い回しだな、と思いながら、
「行きますよ、もちろん」
と答える。

「乗せてってあげようか」

「そんなに早く街に出る用事、あるんですか?」

「ないけど?」
と笑顔だ。