王様とうさぎさん

「どうした?」
と允が振り向く。

 莉王は背後の霊と目を合わせたまま、動けなかった。

 そのとき、由莉子がやってきた。

 ちょうど少女の霊に重なるように立ち止まり、笑顔で言う。

「莉王さん、お風呂入って」

「あ、はい。
 って、え!? お風呂っ?」

 絶対に今、一人で入りたくないっ。

 思わず、允を見るが、そういうわけにもいかない。

「蓋、開けてあるから、すぐ入ってね」

 莉王は慌てて、行こうとする由莉子の腕を掴んだ。

「お、お義母さんっ。
 一緒に入ってくださいっ」

 は? と由莉子が可愛らしい瞼を何度も瞬かせた。