允の家ではご馳走が待っていた。
由莉子が笑顔で言う。
「明日からは二人でお食事して帰ってきてもいいんだけど。
今日だけは、うちで食べてね。
田舎料理だけど、頑張って用意したから」
「ありがとうございますっ。
なにかお手伝いします」
「ありがとう。
じゃあ、お箸持ってってくれる?」
はい、と莉王は由莉子の後をついて、昔ながらの大きな台所に行く。
「ごめんなさいね。
おかしな風習があって。
もともとはこの家に馴染んでもらうためみたいだったんだけど」
「いえ、大丈夫です」
由莉子から箸を受け取りながら言うと、
「允はいろいろ気にしてるみたいだけど。
お父さんもまだまだ現役だし。
しばらくは二人でマンションで暮らしていいからね。
子どもが小さいうちは大変だろうし」
と気を使って言ってくれるが。



