王様とうさぎさん

 そのとき、車が母屋の庭先に着いてしまった。

 待っていたらしい由莉子がすぐに出てきて、笑顔で迎えてくれる。

「こんばんは。
 お邪魔しますっ」
と慌てて降りて挨拶しながら、允は今、何を言おうとしたのだろうかな、とぼんやり思った。