王様とうさぎさん

「さあな。
 家が好きなのか。

 街中は夜中でもうるさいから厭なのか」

 それは確かに、と莉王は思った。

 莉王のアパートはちょうどロータリー付近にあって、コンビニやスーパーも建ち並んでいて便利だが、夜中でも騒音が凄い。

「忍さんて、ああいう夜の街も似合うけど、田舎で静かに読書してるのとかも似合いますよね」

 沈黙があった。

「なんですか?」

「いや、忍に関しては、よくわかってるんだな、と思って」

「別に忍さんだからってわけでは。

 じゃ、卯……允さんが実家に居た場合の休日を想像してみましょうか」

 まだ名前で呼ぶのに慣れずにぎこちなくなる。

「きっと川で釣りをしています。

 それか、プラモデルを作ってる」

「それは、真人に聞いた昔の俺の休日じゃないのか」

「川で釣りは想像ですよ。
 当たってました?

 で、今は違うんですか?」
と訊くと、沈黙する。

 ぼちぼち当たっているようだ、と思った。