王様とうさぎさん

「最初からそのつもりで連れていったんですか?」

「いや、厭なら、誰と知り合いになろうが、断るだろう?」

「でも、あのお義母さんに、素敵な笑顔で、
『楽しみに待ってるわ』
とか、

『允が居なくても、いつでも来てね』
とか言われたら、断れないじゃないですかっ。

 いえ、方向音痴なんで、一人では来られないですけどねっ」
と言うと、また笑う。

「車じゃなくても、バスに乗ったら着くぞ」

「バス、走ってるんですかっ」

「途中まではな。
 連絡しといたら、誰か終点まで迎えにいくさ」

 田舎、すごいな、と思った。

「もしかしたら、バス、自分の降りたいところで降ろしてくれたり、乗せてくれたりしますか?」

「街を走ってるときは無理だろうが、この山入ったくらいからは大丈夫なんじゃないか?」

 暗闇を振り返り、莉王は、

「街から、そんなに時間はかからないけど。
 山を越えるのが大変ですよね。

 忍さんはなんで、今でも実家に住んでるんですかね?」
と訊いてみる。