「莉王」
お昼休み、社食で座ろうとした瞬間、トレーを手にした真人がやってきた。
「お前と允さんが結婚するって話で持ち切りだが、マジか」
いや、あんたもその話、広げるのに加担したじゃん、と思いながら、
「らしいよー」
と投げやりに言う。
「らしいよって、なんだよ。
あ、此処いい?」
と真人は一緒に座ろうとしていた佐江たちに訊く。
彼女たちはもちろん、機嫌良く、はい、どうぞーと答えていた。
「しかもー、莉王先輩、今日から、卯崎さんのところに泊まるらしいですよー」
潮の影響か、佐江たちも真人にぺらぺらとチクる。
「待って、待って。
いろいろと聞きかじったまま言わないで。
泊まるの、卯崎さんちじゃないからね。
卯崎さんの実家よ」
「余計話が本格化してるだろう」
と何故か真人の方が蒼くなる。



