王様とうさぎさん

「あのー、卯崎さんは、変貌する予定がおありですか?」

 変貌する予定ってなんだ? と訊いておいて、自分で思う。

「特にないが。

 それに、あっても、今、あるって言わないだろう、普通」

 そりゃまあ、そうですね、とようやく袋を開けられたサンドイッチを頬張る。

 此処のは、パンがふんわりしていて好きだ。

 具もありがちに辛すぎない。

「そうだ、莉王。
 今日から、卯崎さんはやめろ」

「えっ。
 なんでですか?」

「うちは全員、卯崎だからだ」

「……そうでしたね。

 えーと……

 允、さん」
 なんでだろうな。

 人に言うときは平気なのに、本人を前にすると、照れるのは。

 允の方はしょっぱなから、莉王莉王、と勝手に呼び捨てにしているのに。