王様とうさぎさん

「わかった。
 日曜はあんた来なくていいから。

 佐江(さえ)ちゃん、ひとり空いたから入りなよ」

「わあーっ。
 いいんですかー?
と勝手に話が進んでいる。

「待って待って。
 行かないなんて言ってないしっ。

 ちょっと用事があって、卯崎さんと出かけただけよ」

「そうか。
 卯崎さんね。

 はいはい。
 知ってる知ってる」
と潮が言い、ああ、あのひと、と佐江たちが頷いた。

「えーっ。
 いいなあっ。

 卯崎さん、格好いいですよねーっ」

 よく知ってるな、と思った。

「私、他の部署の人間まで覚えてないわ。
 すごいね、佐江ちゃんたち」
と言うと、佐江は笑って、

「厭だ、莉王さん。
 私たちもいい男以外、覚えてないですよ。

 ねえ?」
と言い出した。