王様とうさぎさん

「それにしても、王様、王様、うるさいんですよ、忍さん。

 あれ、なんとかしてくれるよう、言ってくれませんか?」

「忍が?
 あいつは人の厭がることは言わないはずだけどな」

「なんか、莉王って呼ぶのは照れるとか言ってましたよ」

 軽い気持ちでそう言ったが、允は黙る。

「……忍が照れると言ったのか?」

「え、えーと、なにかそんな感じのことを」

 まずいこと言ったかな。

 っていうか、名前呼ぶのも照れる男が、キスしてくるとはどういうことだ、と今気がついた。

 忍にとっては、その方がたやすいことなのか。

 本当にあの人、卯崎さんとは違う意味で、よくわからない、と思った。

「今度からは俺が送っていく」

 む。

 これはもしかして、妬いてくれているのだろうかな。

 忍の確かめてご覧よ、という言葉を思い出す。