王様とうさぎさん

「え、意外。
 誰に騙されたんですか?」

「……黒部清香にだよ」

 思わず、車内が静かになった。

「酔ってそうで、そんなに酔ってないね、王様。

 じゃあ、この話は此処で終わり」

「ええっ!?
 待ってください。

 死ぬ程気になるんですけどっ」

 いーや、終わり終わりっと忍は叫ぶ。

「プライベートに首突っ込まないっ」

「忍さんが自分でしゃべったんですよね〜っ。

 大体、私のプライベートには首突っ込みっぱなしじゃないですかっ。

 私との結婚話、卯崎さんを唆(そそのか)して、進めさせてるの、どう考えても忍さんですよねえっ!?」

 允がマイペースなのは、確かだが。

 本来、恋愛や、結婚に関して、あんなにガンガン攻め込んでくるタイプではない気がしていた。

「そうっ。
 僕が君らの恋のキューピットなんだよ。

 崇め奉ってくれてもいいくらいだよっ」

「誰がキューピットですか。

 恋も別に成就してませんしっ」
と言うと、ええっ!? まだなの? と訊いてくる。