王様とうさぎさん

「女の子が母親のことをそういう風に素っ気なくいうときは、大抵、美人だよ。

 今、自分が似てくる、と言われたところだし、身内だし、謙遜だね」

 そう忍は結論づける。

 忍の家は極普通の田舎のおうちだった。

 横に広く、少し二階がある大きな家で、庭も広い。

 納屋から赤いトラクターなんかが覗いている。

「……なに笑ってんの」

「い、いえ、別に」

 都会的に洗練された雰囲気の忍がこの家からあの街中の店に出勤してるのかと思うと、ちょっと可笑しかっただけだ。

 悪い意味ではない。

 微笑ましいというか。

 納屋の横の木造の車庫に忍の車はあった。

 古いが、雰囲気のある車だ。

 よく展示してあるクラシックカーに似た風情がある。

「あ、車で行っても大丈夫なんですか?」

「基本、僕は呑まないから、作るだけ。

 呑んだら置いて帰るよ」

「そしたら、翌日はどうするんです?」

「……バスに決まってんじゃん。

 なに笑ってるの、王様」