王様とうさぎさん

 まあ、あまり気は進まないが、仮病を使うとかあるよね、と思ったが。

 いや、使ってみたところで、日延べされるだけのような気もする、とも思った。

 此処へ泊めて儀式を行わせるためだけに、看病さえしかねない及川がついているのだ。

 どのみち逃げられない気がした。

「あの、忍さんが送ってくれるって」

「忍が?」

 そのとき、背後に忍が立った。

「僕、今から店に戻るから。

 允は爺さんたちの相手、してあげて。

 こういうのが唯一の楽しみなんだから」

 そう言われ、允は迷ったようだが、わかった、頼む、と頷いた。