王様とうさぎさん

 


 莉王は障子を開け、まだ爺さんたちと呑んでいる允を見た。

 ほんとに爺さんには愛想いいな。

「卯崎さん」
と側に膝をつき、小声で呼びかける。

 此処では、允さんと言うべきなのだろうが、やはり、本人に言うのは恥ずかしかった。

「私、そろそろおいとまします。
 あまり長居をしても悪いですし」

 なんと言っても初訪問だ。

 いや、今後来るつもりもなかったのだが。

 どうも、明日から此処へ泊まらなければならないようだ。

 いやだああああああああっ。

 と叫べたら楽なのだが、人の良さそうな爺様たちと、允の両親の手前、そうは出来ない。

 とりあえず、今日、此処から抜け出したい。

 明日のことは明日考えよう。

 莉王は明日の自分を見捨てた。