王様とうさぎさん

「あの〜、私、もう完全に明日から、此処に来る感じですか?」

「呑んだんだろう。
 この家の酒を」

 固めの盃だ、と及川は言い出す。

「片目の……」
とつい片目を閉じると、

「面白いな、王様」
とつれなく言われる。

「及川さん、今度写真を見せてください」

「写真?」

「忍さんに似ていたっていう嘘のような写真を」

「何が嘘のようなだ。
 それから逆だろ。

 忍がわしに似てるんだ、ほれ」
と何故かすぐに写真が出て来た。

 白黒の写真だが、だからこそ、その端整な顔が際立つというか。

 この境内で撮られたもののようだ。

 どれが及川かすぐにわかった。

 一人が飛び抜けて目立っていたからだ。

 忍ほどきゃしゃでなく、少し允寄りに凛々しい感じだ。

「嘘っ」
と写真を掴む。

 目が覚めた。